信仰がなくては、悪意に勝つことは出来ない

アイドルと音楽と演劇が好きな人の闇鍋ブログ

愛を描こう、君が奏でる音で

アイドルを応援している限り、シスヘテロ主義に晒されることは仕方の無いことだと思っていた。物心ついた時からアイドルを追いかけていた私は、何故盛り上がるのか分からないパフォーマンスにも、共感できないラブソングにも慣れきってしまっていて、今更それに対して何を思うこともなかった。アイドルを応援していくのなら、それが当たり前だと思っていた。

まず自己紹介をします。上手く言葉に出来ないのでリンク先を見てください。anone.me
正直、あなたはこうですよって名前を付けられてもあぁそうですか、としか思えないし、実感が湧かない。これが合ってるのか間違っているのかすら分からない。多分、こういう人間のことを世間ではクィアと呼ぶのだと思う。

けれど私はクィアですというだけで話を進めるには、クィアという単語はあまりにも言葉の意味の幅が広い。なので彼らとこれを読んでくれている人への誠意として、ここで自分のセクシャリティを第三者機械的言語化したものを提示しておく。今回このブログを書いているのは、こういう思想を持った人間です。適宜自衛して頂けると幸いです。



SEVENTEENの新譜が発売された。
アルバム名はAttacca、タイトル曲は「Rock with you」。

youtu.be

open.spotify.com

私はこれをラブソングだと受け取った。それも、ただのラブソングじゃない。ステージの上で生きる“アイドル”から客席からそれを見つめる私達“ファン”へのラブソング。

サビ前に「이 밤은 짧고 넌 당연하지 않아(この夜は短くて、君は当たり前じゃ無い)」という歌詞がある。
私はこの歌詞を聴いたとき、今は失われてしまった夢のような夜のことを思った。彼らはステージの上で私達は客席で、同じ時間を同じ空間で過ごす夢のような夜。きっとどの夜よりも短い夜。
夢のような夜は一瞬で終わってしまうし、ステージの上に「君」が立っていることが当たり前じゃ無いことはアイドルを応援していれば多くの人が痛感しているはずだ。
それと同時に、この歌詞は彼ら側からも同じ事が言えるのだろうと推測できる。彼らが辿ってきた道筋を思えば、世界中の何万人もの大きな会場が彼らを見るために集まった観客で埋め尽くされることはきっと当たり前ではないし、それを噛み締めるにはこの夜はあまりにも短い。
私達にとってこの歌詞はステージ上の彼らに向ける言葉そのものである。しかしそれを彼ら側から、ステージの上に立つ彼らの言葉として提示されることがこんなにも素敵なことなのかと思った。幸せだと思った。夢の欠片を拾ったような気がした。

アイドルとファンの関係の拡大解釈が苦手な私にとってこの曲は、SEVENTEENから提示された何よりも大きな『愛』だと思った。拡大解釈をされてしまうと、彼らの言葉をどうやって受け取れば良いのか分からなくなってしまう。自分が持っている『恋愛感情』が世間一般が言うところの『恋愛感情』とは異なる物だと知っているから、嫌でも気付いてしまったから。私にはきっと世間一般が言うところの『恋愛感情』が理解出来ないから。
この曲には必要以上に『愛』を『恋愛』に落とし込む要素は何も無い。彼らが提示したものは“アイドル”として“ファン”に伝える純度120%の『愛』だった。ステージの上の彼らはあくまで“アイドル”でしかないし、客席に居る私達は“ファン”でしかない。言ってしまえば、それ以上でも以下でも無い。けれどそこには確実に『愛』がある、誰がなんと言おうとステージと客席との間には大きな大きな『愛』がある。彼らはそれを7年目を迎えるこのタイミングで改めて私達に提示してくれた。愛していると。観客である私達を。ステージの上から。
私はただ、アイドルであるあなた達を愛している。客席から、ステージの上に立つあなた達を愛している。それを肯定されたことが嬉しかった。この歌はステージの上に立つ彼らからの観客である私達への愛の歌で、その言葉達は解釈とか考察とかを必要としない。観客である限り、この言葉達を真っ直ぐに受け取る権利を、そのまま自分に向けられたものだと思う権利を、私達は持っている。
何よりも私は、彼らが歌う“君”に自分も当て嵌まることが、嬉しかった。

この曲の中で彼らは何度も永遠を語る。それが本当に永遠ではないことくらい、受け取る私達も分かっている。確かに今のSEVENTEENは全員での契約更新を発表したばかりで、言うなれば終わりから最も遠いところに居る。それでもアイドルの語る永遠は夢物語にしか過ぎないし、これは私の場合になるかもしれないがそう思うことは一種の自己防衛に近い。この幸せな時間はいつか終わる。そう思って居ないと、なにかを間違えてしまいそうになるから。
それでも、MVラストのように13人でステージに立つ姿を見ると永遠という夢物語を信じたくなってしまう。そしてステージの上の彼らはそれを夢物語にする気は無いのだろうなと思えて、それにもまた彼らからの愛を感じてしまう。変わらずにステージで輝き続けるという決意、私達への愛。

そしてこの曲を表題曲として発表したこと自体が、SEVENTEENから私達への最大の『愛』だと思っている。
だって世界中に向けて僕達は僕達のファンを心の底から愛していますって楽曲を通して表明してくれたんですよ、これ以上の愛があるか、いや無い。無いです。CARATは世界一幸せなファンダムです。ありがとうございます。



2021年、1枚目のリリースであるYour Choice、タイトル曲は「Ready to love」

youtu.be

open.spotify.com


Rock with youは恐らくこの楽曲と地続きに語られている楽曲であり、この曲があったからこそRock with youが生きてくるのだと思う。
正直、リリース当時にこの曲についてのエントリーを何度も書いたのだが、あまりにも主観が混ざりすぎてしまうので消してしまっていた。けれど私がRock with youに感じた感動はRedy to love無しには語れないと思うので、今更ではあるがここで少しRedy to loveにも触れようと思う。

ものすごくざっくり言おう。
泣いた、『恋愛』を歌った曲を聴いて。
だって分かったから。この曲の言わんとしてることが私にも分かった。人を愛しいと思う気持ちを、Ready to loveで歌われているこの気持ちを人々が『愛』だと呼ぶのなら、確かに『愛』は美しいものなのかもしれないと思った。それくらいこの曲は美しかったし、相手を思う温かい気持ちに溢れている曲だと思った。
MVでメンバーの隣に女性を置いたこととか、ティザーでわざわざそこを切り取ったこととかやっぱり偉い大人はそうなんだなって思うこともあったけれど、私には彼らがくれたこの言葉だけで十分だった。



Ready to loveとRock with youはどちらの曲も恋愛とかアイドルとファンとかだけでは無くて、広く見た時の愛の話をしていると思う。相手を思う気持ちの話。友人に聴いてもらったところこれオタク好きなやつじゃん?と言われた、そうなんですよねオタク好きなやつなんですよ。もっと知られろ。

Ready to loveを聴いたとき、そしてRock with youを聴いたとき。SEVENTEENの楽曲は、イジフンさんの言葉は、私を置いていかないと思った。私を仲間はずれにしない。彼が語る愛の言葉は、ちゃんと私にも向けられている。それがどうしようもなく嬉しくて、誇らしかった。あ、当方イジフンさんのオタクなので、誇らしいが入るのはそういうことです。はい。
元々、イジフンさんが描く『愛』が完全に理解できなかったり、不快に思ったりすることはあまりなかった。
以前のブログでもそのことについて少し触れているので、良かったら是非。

mnmoo-pnk27.hatenablog.com


私は愛の言葉に対して警戒心が強い。『愛』や『恋愛』を取り扱っている楽曲や作品を見ると、1度引いて見てしまう。自分とは切り離して、関係ないものと定義してしまう。恐らくそれは自分が自分のままアイドルオタクをしていくために自分の心を守るために身につけたもので、言わば処世術のようなものだった。けれどある時から、イジフンさんが作った楽曲だけは真っ直ぐに受け取ってみようと自分の中でルールを作った。彼の言葉ならきっと私も傷つかないから。イジフンさんを、信じているから。
けれど、まさか『愛』を描いた歌で“みんな”に自分が含まれる日が来るとは思っていなかった。流石に。これは彼を侮っていたとかそういう訳ではなく、単純に世の中というのは、売れる楽曲というのはそういうものなのだと私が思い込んでいたからだった。

Ready to loveもRock with youも、聴いた時にまず浮かんだのは曲を創った彼の顔だった。彼がこの曲を書いたのだと、この優しい曲を創ったのだと思った。その事実にまた涙が止まらなくなった。嬉しかった。彼に出会えてよかったと思った、彼を好きになれて良かったと思った、また改めて彼のことを好きになった。
好きな人が書いた愛の言葉を、愛の歌を、『愛』そのものを、それを向けられている“みんな”の一人として受け取ることが出来ることが、こんなにも幸せなことだったのかと思った。
きっとこの瞬間のために、この曲に出会うために私は彼に出会って、彼を好きになったのだと思った。

そんな体験をReady to loveだけでなくRock with youまで、2回もさせてもらってしまったのだから、こんなに幸せなことは無いと思う。
出会えてよかった。好きになれてよかった。あんなに素敵な楽曲を貰っておいて、こんな言葉しか返せない自分が情けないけれど、心の底からそう思っている。私なんかを掬い上げてくれて、幸せにしてくれてありがとう。

あ、お気づきでしょうか。ここのブロックはイジフンさんのオタクによる盛大な惚気です。ありがとうございました。



今年の5月18日。Your Choiceのリリースを発表すると同時に、彼らはこんなものを出していた。

youtu.be

「2021 Concept Trailer : Power of 'Love' 」
この動画の最後にはこんなメッセージがある。

Are you ready to "love" together with us?
僕達と一緒に“愛”する準備は出来ましたか?

そもそもSEVENTEENの2021年目のテーマはLove、愛なのである。2021年の私達は彼らと『愛』する定めなのである。

SEVENTEENは7年目を超えて、その先の未来に向かう。
その節目ともなる年のテーマに彼らは『愛』を掲げた。そんな彼らから発信されたメッセージは、自分たちを愛してくれている人達をひとりも取り残さないような、そんな決意を持った優しくて温かい『愛』だったと私は感じている。
その宣誓を、1年かけて私たちを『愛』するという宣誓を、彼らは既にしてくれていたのだ。

とまぁこんなことを言いつつ、コンセプトトレーラーの存在なんてついこの間まですっかり忘れていたオタクなのだが。
オンラインコンサートのタイトルどっかで見たことあるな~!?ってなって引っ張り出したらこれだった。今年のコンセプトトレーラーと同じタイトルを冠したコンサートって、さぁ私はどうなってしまうんでしょうね〜!!

SEVENTEENオンラインコンサート「POWER OF LOVE」
11/14、21の2DaysでPOWER公演とLOVE公演の2公演開催です、よろしくお願いします。(宣伝)




SEVENTEENと私達の2021はまだ終わっていない。彼らは私達にどんな『愛』を届けていくれるのだろう。
そしてその愛を、素直に受け取ることができる私であれたらいいなと思う。