信仰がなくては、悪意に勝つことは出来ない

アイドルと音楽と演劇が好きな人の闇鍋ブログ

オタクすぐ出会った意味とか言い出すじゃん。

 

2020年11月22日。
私はこの日を今のこの気持ちで過ごすために彼に出会ったのかもしれないなぁと、泣きすぎて何も考えられなくなってしまった頭で漠然と思った。

 

夕方、某ユン○ョンハンさんに肩透かしを食らい寿命が縮み、そこで逆に落ち着いてしまった私は今度こそご本人の配信通知が入った時のには、ぬるっとご飯でも食べながらになるんじゃないかなぁ〜なんて甘く考えていた。
配信を開ければ映っていたのは、25のロウソクが刺さった綺麗なケーキを持った、ラフな格好の化粧をしていない、私のSEVENTEENの推し、ウジことイジフンさん。

ケーキのロウソクを消して、そのまま後ろにほったらかして、コメントを読み始める、いつも通りのお誕生日の配信。

ライティングは作業室っぽいけどなんか今までと違くない…??と思っていたら自室ですと言われて驚いた。自室でも作業をし始めたらとうとうワーカーホリックもいい所じゃないかと真剣に思った、頼む寝てくれ。
座り心地の良さそうなキャスター付きの椅子でごろごろーと移動してローテーブルで飲み物を飲んでパソコンの前に戻ってくる彼のその自堕落っぷりがあまりにもイメージ通りで笑ってしまった。立たなくていい仕組み。

言葉に詰まるとくしゃりと顔を歪めるのが、もっとスングァンみたいにスムーズにできたらと苦々しい顔をするのが、とにかく愛おしかった。
優しい顔で画面のコメントを覗き込む彼が愛おしくて仕方なくて、胸が暖かくなって、ずっと涙が零れそうなのを堪えているようなそんな感覚だった。

自分でも馬鹿みたいだと思った。彼は海の向こう側にいて、私は彼が何を話しているのかも分かっていないのに。そういえば他のメンバーの誕生日の配信は話が分からないからと途中で何となく退出してしまっていたことを思い出した。貴方の配信だから見れてるんだよ、なんて言わないけれど。

話題がアニメの話になったあたりでこれは長くなるぞ〜〜〜と他人事のように思った。手元を見ずにキーボードを叩く推し。職業アイドル。
余談ですが推しが見ていて1番驚いたアニメは夢色パティシエールでした。世代的に私は見てたしすごい好きだったよ。1話の展開が好き。

SEVENTEENのアニソンですよね〜と彼が流したのはRun to youとTogetherで、それまで自分が勝手にほざいていた事が肯定されてしまってかなり驚いた。曲を聴きながら彼がする身振り手振りがあまりにも解釈の一致で興奮のあまり動悸が止まらなかった。
彼のダンスの音ハメの正確さは知っていたし、それ故に彼を推しと呼ぶようになったというのも大いにあるのだが、この曲を生み出した彼が意図したように自分もこの曲を楽しめているのだと言うことがどうしようもなく嬉しくて、幸せだと感じた。

コメント欄のAllMyLoveを流して〜という要望を拾って、曲を流しながら楽曲の制作秘話なんかを話してくれて。
そして、彼は自室にある楽器の話から、徐にギターを取り出すとぽろんぽろんと弾き始めた。うっっわギター弾いてる…うっっわぁ…綺麗だな全部が…なんて半分脳死したあたりで気づいたら簡単な弾き語りをされてしまって脳が思考を放棄した。
彼がギター弾きながら歌っていたあの瞬間、TLが完全に動きを止めたのがすごく面白かった。恐らく全オタクがあの瞬間1回死んだのだと思う。ここまでがまだ序章にしか過ぎないことを知らずに。

TLの全翻訳垢さんが、曲を作る…??と言い出して目を疑った。画面の向こうの彼はギターのチューニングらしき作業をしていて、それを見ながらえっ?正気??正気なの???とめちゃくちゃ混乱した。

誕生日の歌を作る。どうやらそう言ったらしい彼の口から、ほろほろと音が零れて、それにギターの音がついて、形を成して、メロディになって、それらがどんどん連なって音楽になっていく。
作業の本当に1番最初から見ていたはずなのに、何が起きたのかよく理解できなかった。
そして、そこに付けられた歌詞は私でも聞き取れるような、簡単でシンプルな言葉。


センイルチュッカヘヨ。コマウォ。サランヘ。
誕生日おめでとう。ありがとう。愛してる。


この辺からもう涙が止まらなくなってしまって、終わりまでずっと泣いていたような気がする。なんでこんなにこの人は綺麗なんだろう。才能に溢れていて、綺麗で、優しい人。

大切な人に心からおめでとうと伝えたい時に贈る言葉を教えてください、と彼が言って、コメント欄が濁流のように流れていく。それを彼は愛おしそうな顔で眺めていて、いい言葉だと綺麗な言葉ばかりだと言った。

けれど恐らく、今このタイミングでこの人にそう聞かれてこの配信を見てコメントした人が心からおめでとうを伝えたい人は多分世界で1人、イジフンさんしかいない。
つまり、彼が綺麗な言葉だと言った言葉は、この配信を見ている世界中の人達が今日1日彼に思いを馳せながら過ごした結果、溢れた言葉だということになる。

ねぇ、なにそれ。なんだよそれは。そんなに綺麗な世界が存在していいのだろうか。そんな、そんな話が。
この事実に気づいたあたりで嗚咽を上げて泣き始めてしまっていたため最早あんまり記憶が無い。親にすごく怪しまれた。(鬱症状の治療中の身なので)

AllMyLoveについて触れた時、彼は音楽には運命がある、次の日に同じ曲が作れる訳が無いのだと言っていて、彼はその話を再び持ち出した。
この曲が生まれたのは皆さんのおかげです、音楽には運命があるって言ったでしょ?と。

そこから彼はしばらく歌詞がいいからとそれに合わせてより嵌りのいい音を探したり、なにやら修正作業を始めた。時にうわぁ!!と突然叫んでみたり、こんなことで音楽で仕事ができるのかジフニと自問自答したり。その作業の様子は明らかにクリエイターのもので、尊敬と愛おしさと感動とで頭がぐしゃぐしゃになりながらそれを眺めることしか出来なかった。
たまにばーっと早送りするように早口で歌詞を口ずさみながらギターをジャンジャン弾いていく彼が可愛くて面白くもあって、少し笑った。

そして曲が完成した頃には、歌詞は曖昧ながら自分もメロディを口ずさむことが出来るくらいになっていて、それだけ今この短時間で彼が何度も何度もこの曲を弾いて修正してを繰り返していたのだと思うとまた涙が出てきた。
尚、この辺りで当方既に1時間程だらだら泣いているため目はパンパンだし、頭は痛いしで割と満身創痍だった。オタクなんてこんなもんである。

できた!と小さく拍手をして、時間があったらまた修正してちゃんと完成させますね、なんて彼は言っていた。多分あの曲を聴いたら私条件反射で泣いてしまうからやめてくれと思った。待ってるけど。

そこから彼は11:22までやってほしい!なんてコメントを見て、少しだけお喋りをしてくれた。皆さんも健康に気をつけてくださいね、自分は作業ばかりして動かないから最近気健康を気にするようになりました、とりあえずコーラをゼロコーラにしました、と。SEVENTEENさん全体的にお食事事情が私の理解の範疇を超えているのでコメントは差し控えさせて頂こうと思います。 コーラくらい美味しい方飲めばいいのにと思った。とりあえずコーラを変える彼が愛おしくて仕方が無かった。

あんにょん〜と手を振っているのに、なかなか切らない彼がなんだか私にはらしくないように思えて、その表情が優しくて、落ち着いてた涙がまたぶり返してしまってやっぱり泣いた。配信が終わって真っ暗になったスマホを抱きしめて嗚咽を上げて泣いた。

海の向こうの言葉も価値観も違う推しが愛おしくてこんなに泣くなんて馬鹿みたいだと思った。

 

 

文章を書く人、絵を描く人、芝居をする人、歌を歌う人、踊る人。
この辺は何となく感覚として理解が出来る気がしているのだが(本当に出来ているのかは置いといて)、歌を創る人というのが私にはどうもピンと来ていなくて、その瞬間を見てみたいなというのはずっと思っていたことだった。

それが彼だった理由は、私にも分からない。
けれど配信を見終わった時、私は今日この瞬間にこの配信を彼を好きな人格が見るために私は彼に出会ったのかもしれないなと漠然と思った。この瞬間を過ごせたことに、彼に出会った意味そのものさえ見出している自分がいた。
それくらい「好きなクリエイターが音楽を創る瞬間を目の当たりにする」という経験は、私にとって強烈なものだった。

 

きっとどんな道を通ったとしても、彼は、イジフンさんは音楽に携わる仕事に着いていただろうと思う。
けれど、彼がアイドルではなかったら、それもSEVENTEENでなかったら、私はきっと彼に出会えて居なかった。海の向こう側なんて、SEVENTEENに出会わなければきっと目を向けてすらいなかったから。
彼と出会えたのは自分でも信じられないくらいの偶然の積み重ねで、けれどそれが嘘ではないと信じられるくらいには私は彼の楽曲に心を動かされていたし、何度も救われていた。

言葉なんて分からないし、文化的な背景も違う。恐らくそれは言葉が分からない以上に大きな壁だろうと思う。
言語が違えば知覚が違う、概念が違う。
私にはコマプタとキヨウォの違いを根本的に理解することは出来ないだろうし、恐らく逆も然りなのだと思う。
それを突きつけられるのが嫌で、私はどうしても彼が書く日本語版の曲が好きになれなかったりする。

けれど、私は彼の音楽に惹かれた。例え言葉は分からなくても、彼が創る音そのものは彼が耳にしているものと自分が耳にしているものに違いは無いはずなのだ。そう思う度に、海の向こうで彼が作ったこの音が自分の耳に届いているという事実にどうしようもなく幸せを感じる。

 

将来の自分にとって、SEVENTEENという存在がどんなものになるのか、正直見当もつかない。
受験生特有の突然変なところに推しができる現象の只中にいるような気がしなくもないし、事実1年後に私が彼らを好きでいるかと聞かれたら正直分からない。少なくとも、2021年のカレンダーを買うのを躊躇うくらいには、自信が無い。

けれど、受験期の1番辛い時に私を支えてくれたのはSEVENTEENの楽曲であり、イジフンさんが創った音楽だと言うことは忘れたくないし、出来ればずっと大切にしていきたい。
心が疲弊してどうしても動けなくなった時、何度も彼の陽だまりのような声にメロディに、私は救われたから。沢山沢山、幸せを貰ったから。

 

 

 

 

海の向こうの貴方へ

お誕生日おめでとうございました。
素敵な音楽で、パフォーマンスで、沢山の人を幸せにする貴方が、この世界の誰よりも幸せでありますように。