信仰がなくては、悪意に勝つことは出来ない

アイドルと音楽と演劇が好きな人の闇鍋ブログ

TRUMPを見ました

LILIUMを見てから違和感を回収するためにもTRUMP見なきゃなぁ~と思っていたんですが。丁度いいタイミングで日テレ+で放送があったので、D2版TRUMPのTRUTHを見ました。

同じ脚本家さんなんだから当たり前だけど、相変わらず前半はネタパートで声を出して笑える場面が多くてとっても楽しかったです。
最初はこの辺は違和感だけ拾えばいいしなぁと思ってたものの、結局普通にガッツリ見ている自分がいました。
最初、LILIUMとの親和性ばかり探してしまったのですが、別に分かりやすく直接繋がっているというところはそれこそソフィくらいで、全部見終わったあとに誰が誰でみたいなことはわかったかなと。
音楽、セリフ、場面の既視感は後半に多く感じました。


とりあえずTRUMPのストーリーの話をします。
見ていて感じたのはLILIUMより違和感が少ないなぁということ。LILIUMは序盤から違和感だらけだったのに対してTRUMPはそこまで首を捻る事がなくて。
なんでかなぁとすこし不思議に思いながら見てました。

LILIUMでいうシルベチカのような、問題提起というか最も強烈な違和感を残していくのがTRUMPではアレンだったのかなと。
1人だけ違う衣装、不思議な行動、何故かクランでのシーンがほとんどない。
そして、同室の友達ピエトロのやけにクラウスを避けるような発言も違和感として残りました。
そしてアレンの正体が明かされるところ。ミケランジェロがアレン!こっちにいらっしゃい、と声をかけたのは…まさかの猫!?
わたしは割と衝撃的すぎてはぁ!?と大混乱しながら見ていたのですが(笑)

時間軸を2つ同時進行させていればそれこそクランに居ないとか、なにかしら違和感をを覚えなきゃおかしいはずなのに何故アレンとピエトロも同じ時間軸の人間だと錯覚してしまったのか。
それはクランの中で何度もクラウスがアレンを見ませんでしたか?と探しているからだと思いますが、作中のクラウスに何度も探されているアレンはずっと猫なんですよね。
TRUTHではそこまで感じませんでしたが、REBIRTHを見るとたしかに、クラウスは下の方だったり、覗き込むようにしたりしてアレン!と呼びかけてるんですよね。そしてグスタフの首に縄でも付けとけ!というセリフ。ネタパートだったのでそこまで重く捉えていなかったものの、人間に対するセリフにしてはあまりにも乱雑ですが確かに相手が猫だとすれば別に違和感のあるセリフではないんですよね。
そしてピエトロへの違和感もガ・バンリのTRUMPの監視のために人間が派遣されていたという話で回収されました。
頭の整理が全部ついた時はやられたー!という気分でした(笑)
そしてこの話の冒頭でも書きましたが、アレンはLILIUMにおけるシルベチカなんですよね。
TRUMPから永遠の命を拒否した者。
LILIUMのソフィ、ファルスはシルベチカにそこまで執着していた記憶は無いんですが、そこはスノーのような役割も担っていたのかなぁと思ったり。彼が同じように執着したにも関わらず死んだ者と生き残った者。


TRUMPの話はさておき(これだけは衝撃的すぎてどうしても書いておきたかったんです)本題のTRUMPとLILIUMの親和性についての話。

TRUMPを見終わったあと、TRUMPを見てLILIUMを見た人が絶望感を抱いて帰っていった理由が何となくわかった気がしました。
LILIUMのクランはTRUMPのクランよりずっと劣悪だった。TRUMPのクランの方がもっと正常に、ギムナジウムとして機能していたと感じました。
ソフィの不老不死の命でさえ、クラウスの行き過ぎた愛によって生み出されたものだった。
でもLILIUMには、ファルスには愛なんて存在しなかったように思えてならなくて。それこそハルちゃんがブログで血も涙も枯れたやつ、なんて言っていたけどほんとうにその通りなんじゃないかと。
彼の中に存在したのは不老不死の命への執着、もっと言えば助けられなかった友人ウルへの執着だけだったんじゃないかと思いました。

前で少し書きましたが、TRUMPを見ていて感じた違和感の少なさ。それはLILIUMのクランが歪められたものだったからなのかなと思います。都合の悪いことをファルスが取り繕って、歪めて歪めて作っていた世界だったから、見ているこちらが随所に違和感を抱くのも当然なのかなと。

繰り返される悲劇、なんて聞いていたけれどどちらかと言うと、悲劇が更なる悲劇を産む、の方が正しいのかな。
だって、全員のイニシアチブを掌握するためにクランに来た全員を噛むことも、自分の血で薬を作ってそれを毎日服用させることも、記憶を操作して永遠の繭期を生み出すことも。別にクラウスはしていない。どれもこれも、クラウスと同じ能力を手に入れるためであり、所詮ファルスがしていたことはクラウスの真似事に過ぎない。
ファルスは、クラウスほど能力が無かったが故にクラウス以上の化け物になってしまったのだなと。
なのに、TRUMPと言われることを嫌っていて。
すこし二輪咲きの話になってしまうけれど、竜胆に私たちからすればTRUMPと同じですと冷たく言われていたのがとても印象的でした。

彼は永遠を生きることに耐えられず、いつの間にか心を失ってしまった。
正体を知られれば、理解し協力してくれたとしても結局は誰もが自分のことを忌み嫌う。それこそ、二輪咲きの竜胆のように。
彼はそれを割り切ることが出来なかったのかなと思います。不老不死の命を、永遠の時を扱いきれなかった。

テレビを見ながらtwitterでずっと呟いていたのですが、自分のツイートの中に何度も既視感!という言葉が出てきていました。
音楽、セリフ、シチュエーション。
全てに1度見たことがある、と思いました。しかもその既視感を感じたところはどこも新しい悲劇へと繋がっている気がして。
だからこそ、生み出されてしまった悲劇に、なんというか、喪失感みたいなものを抱かざるおえなかったのかなと思います。


そして、これは私の理解の甘さかもしれませんが、TRUMPを見てわかったことが1つ。
別にソフィは不老不死の体を手に入れた、というわけでは無いんですね。TRUMPであるクラウスにイニシアチブを掌握され、その彼がソフィの永遠の命を願ったから、彼は不老不死になった。つまり、クラウスを見つけ出し彼にソフィの死を願ってもらえばソフィは死ねるのかもしれない。
と言っても仮説なのでなんともですが。もともとTRUMPは全てのイニシアチブの頂点に立ってるんだからこれはこれでおかしい気もするし。
あともう1つ気づいたこととしては、リリーはあくまでファルスと同化してしまっただけなので、可能性としてはファルスが死ねばリリーも死ねるんですよね。

…この辺の話もいつかやってくれるんだろうなぁ(笑)

脚本家の未満さんが鞘師が帰ってきたらまた、なんて話を以前されていたようですが。そうするとまたあのメンバーでやる事になるんでしょうかね。それとも、鞘師はリリーだけどスノーやファルスは他のキャストになるんでしょうか。
個人的にはファルス工藤遥が生で観たいなぁ…(小声)


着地点が分からなくなってしまってぐしゃっとしましたが、私が書きたいことは書けた!!はず!!(笑)

すっかりTRUMPシリーズの虜になってしまったので、とりあえず録画しておいたグランギニョルも見ようと思います。